子どもの生活に関すること
内服
お薬の飲ませ方のコツ
苦味のある粉薬を内服する(=薬を飲む)上で意識するポイントは、“舌の上に薬がある時間を最低限にすること”です。そのために、可能であれば薬を溶解・投与するためのスポイトや経口用シリンジを購入すると良いでしょう。内服前の事前準備として、まず口直し用の飲み物を準備しましょう。次に、最低限の水分量(粉が残らずに吸い取れる程度)で薬を溶かします。ただし、溶解後に時間が経つと更に苦味が出る薬もあるため、内服直前にスポイト等を用いて水を数滴ずつ粉の上に垂らし、水分量を決定しましょう。溶解した薬をスポイト等に吸い上げた後、ほおの内側と奥歯の間に少量(目安:0.5mL~1mL)入れ、内服させます。
これは味覚を感じやすい舌の上に薬剤が留まるのを極力避けるためです。後味に耐えられない場合、すぐに事前に準備した飲み物で流し込みましょう。もし薬を入れた直後の苦味にも耐えられない場合は単シロップを医師に処方してもらい、溶解した薬剤に少量混ぜると液量は増えますが飲みやすくなります。加えて、最後に口直し兼内服のご褒美に飴を舐めるだけで笑顔になる子もいます。これら一連の手技をマスターすると、内服の苦痛を和らげることができるでしょう。
年齢ごとの注意点
どの年齢でも“子どもの成長・発達に応じた内服方法を心がけること”が重要です。
① 抱っこされた状態で哺乳する乳幼児の時期
抱っこ等によりむせない程度に少し体を倒し、少量ずつ”お薬の飲ませ方のコツ”の要領で内服させます。ポイントは多く入れすぎないことです。薬を飲み込んだことを確認後、次の分を内服させ、最後に白湯やミルク等を飲ませます。
② 自身で歩行し、自我や味覚が発達してくる時期
一番難しい時期です。”お薬の飲ませ方のコツ”の要領で薬を内服させた後、すぐに事前準備した飲み物で流し込みましょう。極力薬を意識させないためにも素早く口直しすることがポイントになります。
③ 人の話を聞き、理解して行動できる時期
その薬の必要性を理解度に応じた言葉で説明し、内服を開始しましょう。ポイントは、体の中でお薬が効くイメージを持てるようにすることです。以降は②と同じですが、お薬ゼリーやオブラートも有効です。
④ 粉薬をそのまま口に入れることができる、若しくは錠剤にトライ可能な時期
粉薬は下の前歯裏あたりに入れると良いでしょう。また、個人差はありますが5~6歳頃は錠剤にトライ可能な時期です。ただし、大きさがネックとなり失敗すると粉薬に戻ることも多いため、ご飯粒や溶けやすい小さなお菓子等で飲み込む練習をし、少しずつステップアップすると良いでしょう。
最後に、子どもが内服できなくても叱らず、内服できたら沢山褒めてあげましょう。これが子どものやる気を引き出す一番の原動力になります。また、子どもが内服できない状況が続くと、そのことばかり考えてしまうこともあると思います。援助者が変わることも、内服の雰囲気を変えるきっかけになることがありますので、看護師や薬剤師と一緒に話し合いながら内服方法を考えていきましょう。
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こちらも参考になるかもしれません(外部リンク)
- 医薬品の幼・小児の服用について | 公益社団法人東京都薬剤師会
- お子さんの内服に関する疑問について、Q&A形式でまとめられています。
- 子どもと薬 | お薬についてのお役立ち情報 | 一般社団法人 愛知県薬剤師会
- サイト内の「子どもと薬」のページでは、お子さんの内服方法について、水薬、粉薬、坐薬、軟膏、点眼薬、点鼻薬などの種類に合わせてポイントが紹介されています。