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子どもの生活に関すること

感染予防

手洗い、マスク以外で気を付けるべきこと

治療を行うには、頻回な採血や点滴からの薬の投与が必要なため、中心静脈カテーテルを入れるのが一般的です。カテーテルは体にとっては異物であり、感染のリスクになります。カテーテルを保護するフィルムを定期的に消毒・交換する必要がありますので、詳しくは治療を受けている各施設にご確認ください。

 また、治療に伴い粘膜は傷つきやすい状態になっており、口内炎などの傷口から菌が入ると感染を引き起こします。そのため、うがいや歯磨きで口の中を清潔し、口内炎を予防することが大切です。うがいは乾燥を防ぎ、うるおいと清潔さを保つことができますので、こまめに行いましょう。

 歯ブラシは、歯茎が傷つくのを防ぐために、小さめの柔らかいブラシを使い、刺激の弱い歯磨き粉を用いましょう。また、肛門の粘膜も傷つきやすいので、便秘にならないように、できる範囲で身体を動かしたり水分や食物繊維をとるようにしましょう。医師が処方した便をやわらかくする薬や下剤を飲むこともあります。

 体の中に入ってきた菌と戦ってくれるのは血液中の白血球です。特に白血球の一種である好中球は白血球全体の約半数を占め、菌を直接攻撃して食べる細胞です。好中球が500未満になると感染を起こしやくなります。

 100未満になると敗血症(菌が血液に乗って全身に拡がる)が起こりやすくなる1)ため、ささくれができた、ひっかいてしまった、深爪や巻き爪がある、歯が抜けたなど、些細な変化もお気づきのことはスタッフに教えてください。また、菌による感染症が起きている時に血液中に増加する急性反応物質はCRPで、これらの数値を確認するために定期的に血液検査が行われています。

引用文献
1)Bodey GP, Buckley M, Sathe YS, Freireich EJ. Quantitative relationships between circulating leukocytes and infection in patients with acute leukemia. Ann Intern Med. 1966;64(2):328-340. doi:10.7326/0003-4819-64-2-328

私がお答えしました

聖路加国際病院 小児医療センター
小児看護専門看護師 山本 光映

最終更新日:

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