入院生活を知る

生活に役立つ情報を まとめています。

周りの家族の生活に関すること

祖父母からサポートを得る

まずはタイミングをみて、状況を伝えてみましょう

 お子さんの入院生活は、長期になればなるほど病院で付き添っているご家族にも、自宅に残されたご家族にも負担が大きくなります。祖父母が病院から遠方にお住まいの場合、負担を考えるとどうしても躊躇しがちになるかと思います。まずは状況を伝える連絡をとったりするなかで、ご自身にも無理のない範囲で支援を求めてもいいと思います。

いろいろなサポートの形があります

 例えば、祖父母と日頃から連絡を取り合っている場合、直接会えなくても電話で気軽に相談できる相手がいるというのは、ご家族にとって精神的な支えになります。また、入院しているお子さんやごきょうだいが祖父母とすでに良好な関係性にある場合、時々自宅に来てもらい、食事作りや掃除などの家事や、きょうだいのお世話を手伝ってもらうだけでも自宅に残されたご家族は助かると思います。きょうだいも、祖父母が自分に会いに来てくれた、一緒に遊んでくれたということで、普段抱えている寂しい気持ちや不安な気持ちが和らぐと思います。

 また、祖父母に入院の付き添いを変わってもらえる機会があると、付き添っている家族も大変助かると思います。長期の付き添いは、睡眠不足や身体的な疲労が蓄積されるので、自宅に数日でも帰れることで、ゆっくりと睡眠をとれる、きょうだいに愛情を注ぐことができる、両親そろって相談事をする時間を確保できる等のメリットがあります。

 遠方のため直接会いに来られない場合でも、入院生活に必要な物資(おもちゃ、本、食品、生活用品等)が郵送で病棟に届くと、大変喜んでいるお子さんやご家族も見受けられます。

 また、祖父母は自分の子ども(お子さんからみた親御さん)と孫(お子さん)への二重の心配を経験しているといわれています1)。親御さんご自身の生活面やサポートしてほしいことを伝えることは、祖父母にとっても力になれたという気持ちにつながるかもしれません。

引用文献
Moules NJ, Laing CM, McCaffrey G, Tapp DM, Strother D. Grandparents’ experiences of childhood cancer, part 1: doubled and silenced. J Pediatr Oncol Nurs. 2012;29(3):119-132. doi:10.1177/1043454212439626

私がお答えしました

東北大学病院 小児腫瘍センター
看護師 鈴木 未希

最終更新日:

こちらのページも見られています

こちらも参考になるかもしれません(外部リンク)

国立がん研究センター がん情報サービス 家族ががんになったとき
家族ががんになったときの、周りにいる家族に向けて作られた冊子です。
認定NPO法人キャンサーネットジャパン もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき 血液がん
血液がんの基礎知識から造血幹細胞移植・治療のこと・小児がん/AYA世代のがんのことなどについて、患者支援に携わる方々が知っておきたい情報を20ページにまとめています。
認定NPO法人キャンサーネットジャパン もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき すべてのがん
すべてのがんに対して罹患した患者さんを支援する方を対象に、治療についての正しい知識、サポート体制のことなど、がん患者さんを支えるときに必要な情報を全32ページで掲載しています。
NPO法人しぶたね
きょうだいが抱きやすい気持ちやきょうだいとご家族のコミュニケーションを支援するツールなどが紹介されています。
東北大学病院 小児腫瘍センター きょうだいへのサポート
その中にある「きょうだいの発達年齢に合わせたサポートについての資料」(PDF)も合わせてご覧ください。