入院生活を知る

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親の生活に関すること

気分転換

 気分転換と聞いて、ご家族のなかには「そんな時間、あるわけない」「気分転換しようという気力もわかなかった…」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。私たちも、親御さんから「子どもから離れるのが難しくトイレすらいけない、お昼ご飯を食べられないこともある」との声を伺い、それに十分気づくことができていない状況にはっとさせられたことがあります。特に親御さんがいないとお子さんが落ち着かなかったり、薬の副作用が強くでていたり、検査や処置のときなどは、お子さんから離れられず気分転換が難しいと感じられると思います。

 入院中の子どものご家族へのアンケート調査では、「1日の気分転換を30分以上確保できている」と回答された方は、そうでない方よりも家族の健康状態が良かったという結果が出ています1)。1日30分というのも非常に限られた時間ですが、1日の中でわずかでも、一息ついたり、別のことを考える時間は、長期間にわたる入院生活をサポートする上で大切なエネルギーになります。病院のスタッフも親御さんが気分転換する時間の重要性を理解し、お手伝いしたいと思っています。病院のスタッフが忙しそうにみえて、声をかけるのもためらうかもしれませんが、ぜひご相談いただけたらと思います。  また、お子さんから離れることが難しい時でも、お子さんと一緒にお昼寝をするなど可能なタイミングで休息をとったり、好きな音楽を聴く、本を読むなど、意識的に気分転換することも大切です。

 ここからは、私たちが行った調査の結果を紹介します。

Q1 入院生活中、どのくらい気分転換できている?

A:約半数の方が1日30分の気分転換をすることも難しいと答えていますが、残りの半数の方は30分よりはとれていると回答しました。


Q2 入院前と比べて、気分転換の時間を確保するのは難しくなっている?

A:入院前よりさらに減ったという方が多数です。子育て中は、常に気分転換の時間はない!という方もいらっしゃると思いますが、入院により、さらに減っている状況がうかがえます。


Q3 常時付き添いの場合と夜間付き添いがない場合で違いますか?

A:常に付き添っている場合、気分転換の時間はより限られるかもしれません。また、お子さんの年齢や、ごきょうだいの有無などによっても異なるかもしれません。


Q4 他の人はどんなことで気分転換している?

第1位 テレビやDVD、ネット配信動画など 15票
第2位 買い物 8票
第3位 読書・マンガ 7票
第4位 病棟の親同士のお話 6票
第5位 音楽

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引用文献
 入江 亘, 名古屋 祐子, 橋本 美亜ほか.小児がんの子どもの入院中における親の生活実態と健康関連QoLとの関連.日本小児血液・がん学会雑誌 2021:58(4); p363

私がお答えしました

東北大学大学院医学系研究科 小児看護学分野
看護師 入江 亘

最終更新日: