

実際的なことは個々の病院の 状況によって異なりますので、
#07 脱毛への備え
治療で髪が抜けると言われました。どのように準備をしたらよいですか
回答
脱毛中は帽子やウイッグを使用するお子さんもいますが、何も使わないという子もいます。特に年少のお子さんでは何かを「かぶる」こと自体がうっとうしく、親御さんがかぶせてもすぐに脱いでしまうことがあります。この時には無理強いせず、本人が自分の姿に自信を失わず心地よくいられる方法をできるだけ優先するようにしてください。
脱毛は髪が抜ける薬剤を投与されてから2~3週間後から始まり、1週間から10日ほどでほとんどの頭髪が失われることが多いです。放射線治療では、10日程度で脱毛が始まりますが、抜けるのは照射された部位だけです。
髪の長い子では、脱毛が始まると洗髪時に抜けた毛と残っている毛が絡み、手が付けられなくなることがあります。髪を短くしておくと対処が楽ですが、ぎりぎりまで髪を切りたくない子もいます。その場合は、髪が絡まないよう梳くように洗髪し、乾かす時も髪の絡みに気を付けるようにします。シャンプーは今まで使用していた製品で構いません。脱毛進行中には、頭のむずがゆさやチリチリとした痛みを感じることもありますが、ある程度脱毛してしまうと落ち着きます。
帽子やウイッグについては、医療用、がん患者用などと称して販売されている製品もありますが、医学的に使用しなければいけないものではありません。ごく普通のファッション用でも全く問題ありませんので、お子さんの好みにあった製品を選んでください。つばありの帽子は室内でかぶるのはマナー違反となりますので外でかぶるようにします。室内用は「つばなし帽子 子供」などのキーワードで探すとよいでしょう。春夏用では「薄手」などのキーワードを加えると探しやすくなります。子ども用のサウナ帽子なども使いやすいようです。帽子については、タオルのほか、腹巻、ネックガードなど伸縮性のある筒状のものを利用して手作りする方もいます。

ウイッグについては、15歳以下のお子さんの場合、大手ウイッグ会社がウイッグの無償提供を行っているので利用するとよいでしょう。またそれ以外にも地域でウイッグの無料提供やレンタルを行っている団体もありますので、かかりつけの病院の看護師やがん相談支援センターに問い合わせをしてみてください。無償提供のウイッグについては、最近では申し込みから製品の提供までに2~3か月かかることもあります。製品完成までのつなぎとして、インターネット通販で販売されている数千円~数万円程度のファッション用のウイッグを利用する方もいます。高校生以上では学校の規則にあわせたファッションウイッグを使用する方が多いですが、帽子でよいという子もいます。ウイッグに関してはお住いの市区町村で助成金制度があることも多いので、「居住地の地名ウイッグ 助成金」などのキーワードで検索することをお勧めします。
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- ▶︎ 東京都保健医療局 がん患者および家族一般都民向けの正しいアピアランスケアの情報
- 基本的なケアの考え方や具体的なケア方法について書かれています。
- ▶︎ がんwith 若い世代(15~39歳)によくある悩みと対処法 外見の困りごと
- 外見の困りごとに関して、AYA世代の方向けの視点で整理されています。