Q&A

実際的なことは個々の病院の 状況によって異なりますので、
専門職の皆さんに 相談してみましょう

#6 内服が難しいときにできること           子どもが内服を嫌がり、1日3回内服の時間が子どもも私もとてもつらいです。どうしたらいいでしょうか?

回答

 内服して早くよくなって欲しいと願う親の気持ちは子どもにはなかなか届かなく、口をあけてくれなかったり、ようやく飲めたと思ったら吐き出してしまったりと子どもに内服させるのはとても大変ですよね。年齢やその子の個性や好みによって内服方法も変わってきます。またその時のお子さんの気分にも影響を受けるため、一度うまくいった方法が次もうまくいくとは限りません。親にとってはイライラしてしまうかもしれませんが、それがお子さんに伝わると薬をのむことが「叱られる、嫌なこと」ととらえてしまうため、「がんばったらほめられる、うれしいこと」と思ってもらえるよう親も力を抜いて内服に向かえるようにしましょう。



お子さんが内服を嫌がったら

まずは深呼吸しましょう!

 難しいけれど、できる限り親もリラックスしましょう。「みんな応援しているよ」「いつもがんばっていてえらいね」などポジティブな声がけができるように気持ちを落ち着かせましょう。


何が原因で嫌がっているのか考えてみましょう

 “どうして薬を飲まなきゃいけないの?”
 内服の必要性を伝えることで薬に対する気持ちが変わります。年齢に合わせて薬は病気を治すためにのむこと、元気になるのに必要なものであることをわかりやすい言葉や方法で説明します。

1、2歳頃:「これを飲んでいたいのバイバイしよう」
“ごっこ遊び”のように人形を使って説明すると理解しやすかったりします。

3~5歳頃:「バイ菌がからだに入ってこないようにおくすりのもうね」
病態と薬を関連づけた説明を理解できるようになります。

小学生:「咳をおさえる薬だよ。」
論理的な思考ができるようになり、薬の作用・副作用を理解できるようになります。

“味が苦手”

 飲食物に混ぜて苦み等を緩和させて飲みやすくします。組み合わせによっては効果が弱まったり苦みが出たりする場合もあるため確認しましょう。たくさんの量に混ぜてしまうと薬を飲みきれないこともあるためなるべく一口でおさまる量にしましょう。負担にならないように継続しやすい、手に入れやすいものを選びましょう。

“今じゃない”

 遊びに夢中になっていたり、お気に入りのテレビを見ていたりするとなかなか内服に気持ちが向けられないことがあります。その場合は、「〇〇〇が終わったらくすり飲むよ」などタイミングを決め気持ちが切り替えられるように声がけを行いましょう。

ルーティンにする

 1日の生活リズムに取り込みましょう。時間を決める、歯磨きの前に飲む、くすりを飲んだらテレビを見るなど、あらかじめ生活の一部に内服を取り入れ、声をかけておくことでお子さんの気持ちの準備を促します。

お子さんと一緒に選択しましょう

 お水orジュース?どのコップ?おくすりを飲んだらなにしてあそぶ?などお子さんが主体的に決めることで内服意欲につながります。対応困難にならないよう親が選択肢を決めてお子さんに選んでもらうといいかもしれません。

内服できたらほめる

 内服ができたらほめて、親も喜んでいることを伝えましょう。ごほうびシールなど活用しがんばりが目で見てわかるようにするのも効果的です。「くすりがんばって飲んだから咳落ち着いたね」など内服による効果をフィードバックし成功体験へとつなげましょう。



食後って指示だけど…

 子どもは哺乳後や食後だとお腹がいっぱいで内服できなかったり、食べ物と一緒にはいてしまったりすることがあります。子ども用のお薬は空腹時に飲んでも副作用や効果に影響があるようなお薬は少ないため、空腹時に飲んでも大丈夫か薬剤師に確認してみましょう。

1日3回内服させるのが大変!

 お薬によっては同じ1日量でも1日2回に調整できるものもあります。医師に相談してみましょう。

粉薬が苦手みたいで…

 同じ成分でもシロップ剤や錠剤に変えることができるお薬もあります。医師・薬剤師に相談してみましょう。一般的に6歳頃になると錠剤ものめるようになるといわれていますが、個人差もあります。お菓子のラムネなどを利用して練習し上手に飲めるようになったら錠剤にトライしてみましょう。また、どの剤型にするか子どもと一緒に選んでみることで、「自分で決めた」という気持ちが内服意欲につながることもあります。

私がお答えしました

東北大学病院 小児腫瘍センター
看護師 鈴木 彩

最終更新日:

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