実際的なことは個々の病院の 状況によって異なりますので、
#2 妊娠への影響について話す:幼児 まだ 3 歳と幼いため、妊娠への影響について子どもに説明するのは難しいと思うのですが、どのタイミングでこうしたことを伝えるべきでしょうか。
回答
妊娠について伝えるには、本人が妊娠のことをある程度知っていることが必要となります。学校の性教育が基盤となりますが、一般的には生理が始まる小学校高学年くらいから男女ともに学び始めることが多いかもしれません。中学になると、より詳しくからだの変化や妊娠の流れについて知る機会があります。つまり、小学校高学年くらいのお子さんは妊娠の話をある程度聞くことができると思われます。医療現場では、この年頃の子には伝える検討をする流れになっています。
ただし、聞けることと理解し受け入れることは異なります。伝え方によっては全く通じていない、もしくは重く受け止めすぎてしまう可能性もあります子どもに悲観的な反応がみられた場合はどのようにフォローすればよいかわからないと不安を感じられるかもしれません。
しかし、不安のあまりすべてを隠し通すことは、子どもが自身の体を知り、これからの人生設計を考えたり、対策を講じることを妨げてしまいます。
子どもの個性や理解力はそれぞれですので一律にどの時期に伝えるべきとは言えませんが、子どもが自分の将来を思い描くために知っておくべき情報の一つであり、子どもの成長に合わせて段階的に伝えいきましょう。それが「小学生」か「成人後」なのか、「全てを話す」か「簡単に話す」のか、治療の状況や子どもの成長と理解力に合わせて保護者の方が納得した上で伝えられれば良いと思います。多職種スタッフが関わり、フォローの方法も一緒に考えていきます。治療後も、長期フォローアップ外来など、長期的に医療者がサポートしていきます。
参考文献
日本癌治療学会編.小児,思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン,金原出版株式会社,2017,pp110-112
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