これから入院生活を送るご家族の方へ
きょうだいの生活
家族はモビールのようにつながっています。いつも一緒だった兄姉弟妹に急に会えなくなったり、親御さんと過ごす時間が減ったり、おじいちゃんおばあちゃんのお家で過ごすことになったり、さまざまな環境の変化の中で、きょうだいたちも揺れながら頑張っています。
きょうだいの声から
たとえば病気についての情報が得られない中で、「自分のせいで弟が病気になった」と思っていたり、「自分だけ蚊帳の外のように感じていた」「自分も同じ病気になると思って不安だった」「周りの人に病気のことを聞かれて困った」と話してくれるきょうだいがいます。入院しているお子さんの状況と、あなたのせいではないこと、あなたも大切な子どもであることが伝わる機会があるといいなと感じています。
安心を増やす工夫
病気や治療のことを子どもにどう伝えるかということについては、病院にも、一緒に考えてくれる方々がいます。「伝える」いっぽうで、「不安だったよね」「そんな風に思っていたんだね」と、「聴く」機会にもなると、きょうだいにとって、「自分のこともわかってくれている」という安心が増えるかもしれません。
保護者の方は、きょうだいに我慢をさせて申し訳ないと思う気持ちから、大きなごほうびを用意しなければと感じておられることも多いのですが、小さく見える工夫を重ねることもできます。たとえば、家に帰った時にぎゅっと抱きしめたり、頭をなでたりして、いつもより多めにスキンシップをはかったり、小さなお手紙で「ありがとう」「がんばったね」「大好きだよ」を伝えたり…
お風呂でアイスを食べてOKの日、親子でホットミルクを飲みながら少しだけ夜更かししてOKの日、家族みんなでおそろいのハンドクリームを塗って同じ香りで眠る日、のように、親御さんも一緒に楽しめることがあるといいなと思います。
みんなで受け止める
きょうだいが「自分がしっかりしなくちゃ」と不安や寂しい気持ちにぎゅっと蓋をしていたり、無意識に家族のバランスをとろうと振る舞い、心身のエネルギーを使っていることもあります。お母さんから離れる不安が強くなったり、逆にお母さんとの距離をとるようにふるまったり、おなかが痛い、目が見えにくいなど身体の不調のかたちで充電のタイミングがあらわれることもあります。
保護者の方も日々心が揺れている中で、きょうだいにも目を向けておられること、すごいことです。きょうだいに充電が必要になった時には、きょうだいの通う学校の先生や、親戚、病院のスタッフなど、きょうだいに関わる大人がみんなで受け止められるといいなと思っています。
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