Q&A

実際的なことは個々の病院の 状況によって異なりますので、
専門職の皆さんに 相談してみましょう

#1 きょうだいの生活を見守る            きょうだいの生活を見守るうえで、どんなことを気にかけておくとよいでしょうか?

回答

きょうだいが経験するかもしれない気持ち

 きょうだいのなかには、治療をしている子を心配し思いやる気持ちが芽生えることがあります。その一方で、親御さんからの注目や一緒に過ごす時間が限られること、学校等で兄弟姉妹のことを聞かれることにどうこたえて良いか戸惑ったり、注目されるのが自分ではなく兄弟姉妹になることを、辛くかなしく思ったり妬んだりすることがあります。こうした、きょうだいという立場にあれば抱いて当然の気持ちであっても、そう思う自分は良くない人だと責める子がいます。

 また、親御さんに心配をかけたくない、もっと家族の助けになりたい、と願っているきょうだいもいます。「大丈夫」、という発言の奥にあって、自分でも気づかない我慢している気持ちがたまっていくことがあります。


きょうだいの日常と育ちをみんなで見守る

 “あなたのことが一番大事”、“どんな気持ちも大事なあなたの気持ち”であることが、親御さんから伝わり、存在そのものが認められることが、きょうだいにとって大きな安心と支えになります。一方で、きょうだいには、自分でも気づかない気持ちや、たとえば親御さんに見せたくない気持ちもあるので、きょうだいの安心につながる親戚や保育士、教師、習い事先の先生などに相談し、日常から見守られる体制をつくる場合があります。看護師やチャイルド・ライフ・スペシャリストなどの子どもの専門家、医師、ソーシャルワーカー、心理士などの病院職員に相談することもお勧めします。さらに、地域の支援団体や自治体等(例:小児慢性特定疾病児童等自立支援事業)に相談することもできます。
 親御さんにおかれましては、心労のたえない大変な毎日と思われます。そうしたなかでも、きょうだいの育ちが守られるよう、無理のないところから周りの資源を活用いただければと思います。

私がお答えしました

名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻
看護師 新家 一輝

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▶︎ 一般社団法人日本きょうだい福祉協会