実際的なことは個々の病院の 状況によって異なりますので、
#5 きょうだいと過ごす時間 きょうだいにもかかわってあげたいのですが、なかなかじっくり過ごす時間がとれません。どんなふうにかかわったら良いのでしょうか。
回答
長期入院中のお子さんのごきょうだいについて、親御さんはさまざまな心配や悩みを抱えています(表)。表をご覧になって、私と同じような気持ちだなと感じる部分もあるのではないでしょうか。
入院中の子どもにとっても、きょうだいにとっても、お父さんとお母さんと過ごす時間はかけがえのないものです。病院のスタッフ、祖父母やご親戚など、いろいろな人の力を借りて、子ども達に一番よい方法を無理なく続けられるよう一緒に考えていきましょう。きょうだいとかかわる際に大切にしたいポイントを3つまとめました。
表 きょうだいとかかわる際に大切にしたいポイント
名古屋ら.血液疾患で長期入院している子どもの親が子どものきょうだいについて入院中に語った内容と入院時期による特徴-診療録を用いた後方視調査-.小児がん看護 15(1).2020 7-15.
“大切に思っている”というメッセージを伝え続ける
直接会うことが難しくても「お父さんもお母さんも、きょうだいのことを大切に思っているよ」というメッセージをごきょうだいに伝え続けることが大切です。
少しの電話の時間、短いメールのやりとりの中で「今日はどんなことがあった?」等、きょうだいのことを教えてというメッセージや、「いつでも連絡していいんだよ」等、見守っているよというメッセージを日々丁寧に伝えていけると良いと思います。
きょうだいと会う曜日を決める
定期的にきょうだいと直接かかわる時間をもつことも重要です。何曜日と何曜日はお父さんとお母さんの付き添いを交替する日といったように、可能であれば「固定」の曜日を決めておけると良いと思います。「あと何日寝ると会える」という予定が見えることは、きょうだいの安心につながりやすいです。「入院中の子どもの寝かしつけをできるのは私しかいない」など付き添いの交替に不安を持つかもしれませんが、入院中の子ども達は「今日はお父さんの付き添いだから夜までたくさん遊べる」など、案外うまくやっています。また、内服や入浴介助など普段は付き添いの方が担っていることがあれば、医療スタッフに依頼しましょう。
きょうだいにとって特別な日を一緒に過ごす
授業参観や発表会、きょうだいの誕生日など、きょうだいにとって特別な日は、ぜひきょうだいと一緒に過ごしていただきたいと思います。「病院の付き添いが…」と思われるかもしれませんが、予め相談いただければ、保育士や看護師で対応するよう調整することができます。学校などの行事に参加した際は、きょうだいの変化を見逃さないように、ふだんのきょうだいの様子を学校の先生や保健室の先生、きょうだいのお友だちの親御さんに尋ねてみても良いかもしれません。学校や地域の力も借りながらきょうだいを見守っていきましょう。
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こちらも参考になるかもしれません(外部リンク)
- ▶︎ 公益財団法人がんの子どもを守る会
- 病気や療養生活について相談をしたり,情報を得ることができます。ご家族向けの様々な冊子も提供しています。
- ▶︎ NPO法人しぶたね
- きょうだいが抱きやすい気持ちやきょうだいとご家族のコミュニケーションを支援するツールなどが紹介されています。
- ▶︎ 東北大学病院 小児腫瘍センター きょうだいへのサポート
- 子どもへ病気の説明をする時の発達段階別のポイントが紹介されています。病気のお子さんだけではなく、きょうだいへの説明時にも参考になる情報です。